卒論中間発表会

担当教授の研究室で、先生と学生7人(3年2人)でちまっとみっちり勉強しました。生徒はみんな女子だった!
島田雅彦『僕は模造人間』を扱う先輩の話を聞きながら、あー私模造人間だな!って実感した。こんど読む。読んでないものが多すぎる……。そして三島由紀夫の写真集『薔薇刑』をめくってひく。ネットがある時代に三島がいたらすごい祭りを起こしまくるだろう……
私は『赤頭巾ちゃん気をつけて』の、「大切なことを・おしゃべりする言葉で・やさしく書く」というテーマについて発表しました。
私は根本的に、薫くんが「大学行くのやめる」って言った意味の解釈がわからなくって困っていた。「高卒でずっと自分で勉強していく」って意味なら、既存の大学の権威をそっくり脱していて偉大だし、話がまとまる。先生もそうだと思うって。でも薫くんは「永遠の浪人生」として親しまれていたり、日比谷・東大の権威への執着ぶりを見ていると、「一浪して東大受けます」って意味なのかなって迷っちゃう。ただ、それは作家庄司薫が東大行ったっていう作品外のもうひとまわり大きい枠で考えた知識があるからそう思うんだ。架空の薫くん世界と、それを囲む現実庄司薫の世界をいっしょくたに考えることで(例・庄司薫がイケメン)作品は人気を博している。
だから、作品の枠だけで考えるなら、薫くんはずっと大学に行かないし、もしかしたら由美ちゃんと結婚するかも。現実では中村紘子と結婚するのわかってるけど、私は由美ちゃんが好きだからいなくならないでほしいの。由美ちゃんは母的存在だから薫くんとは恋愛できないって考えもなんかの論文にあったけど、母的存在というより平行線的存在だから交わらないのであり、でもそれも毎回話の終わりに少しだけ交わるような瞬間がくるから、いずれ結婚できるかも。
休み時間に「黄色い涙」の話になって、見た人がすすめていて先生がネットで即注文した。私も借りて見るー。