不可能性の時代/大澤真幸

不可能性の時代 (岩波新書)
高度経済成長期の終わりらへんが好きで、大澤真幸の言う理想の時代→虚構の時代のうつりかわりに興味があって読みました。社会学のことは何にも知らないけどとても読みやすいし、言い回しもかっこいいし、腑に落ちる本だと思いました。
私は今もう、ラルクのことしか考えられないモードなので、すぐ連想してしまって、きもいと思われそうなんですけど、オタクについて書いてあるIII章の

オタクは、一方では、孤立しようとし、他方では、他者との接触を欲望している。

というのは、tetsu語でいう「さわらっしゃい」(さわるな+いらっしゃい)じゃん!て思いました。だからてっちゃんはいかにもオタクだね、とも言えるし、一部の特殊な人だけじゃなくて今の多くの人が孤立と接触を望んでるとも言えます。
また、VI章には、

終末や破局への関心は、冷戦が終結した一九九〇年代以降に、極点に達したように思える。

「現実」への関心、破局的な現実への衝動は、二〇世紀の思想の通奏低音である。

とあって、20世紀最後の年2000年にREALっていうアルバムが出たことはすごい意味あるなーと思いました。REALというのはふつうの日常的な現実のことじゃないのはわかってたから、激しく破壊的なかぎかっこの「現実」という言葉を知って、こっちのことを言ってたんだなーと納得しました。