女装と日本人/三橋順子

女装と日本人 (講談社現代新書)
ざっと読んだだけですが、古代以来日本人は女装(異性装)に寛容だし、女装が文化のなかにあったことがわかりました。あと筆者の実体験に基づく実情が詳しく書かれています。
私は本当に幼い頃からずっとテレビなどで女装者を見るのが好きで、幼稚園の頃も家で弟に自分のシミーズを貸して着せて、弟が「さそり座の女」を歌う美川憲一ごっこで遊んだりしていました。(いろいろつっこみどころはあると思いますが……。)
ただ今ではテレビやまんがなどで見てかわいいなーってのんきに思ったりしていいのかな?ってふと思うところもあって、当事者にとっては性に関する深刻なことかもしれないのに、周りのそういう人と会ったこともなく遠くからただ見ることには当事者性がなくってだめなのかなあ、って心配になっていました。
でもこの本は女装者だけでなく「女装者好きの日本人」ってところに焦点を当てていて、見てきれいって思って憧れる私も文化の受容者という立場での当事者なんだって思えたのですごくよかったです。(非女装者の無頓着な、無神経な言葉が書かれてる場面を読んで、人それぞれのセクシャリティを傷つけないようにすべきだともちろん思いました。イメージを個別の人に押し付けないってことかな?)
そして生身の人間の女装についておもに扱われていたので、まんがなどの異性装についてももっと知りたいな。オスカル様とか。