サルトル『むかつき』ニートという冒険/合田正人(理想の教室)

サルトル『むかつき』ニートという冒険 (理想の教室)

サルトル『むかつき』ニートという冒険 (理想の教室)


親の仲が悪く、具合が悪くなり、学校に行かなくなる「きみ」に向けて「センセー」が語りかけるという体裁になっていて、しかもやたら難しい言い回しが多かったり、いろいろな専門用語を散りばめまくっておいて説明が不足していたり、なぞの本でした。せっかくタイトルをニートに結び付けているのに、『嘔吐』に登場する事柄を「これってすごく現代的な問題だよね」と言いっぱなしなだけで具体的には考えていない……。たぶん「センセー」は頭の中でいっぱいいろんなことがわかってると思うんだけど。理想の教室シリーズの中では、ちょっとどうなの、と思います。