女ざかり/丸谷才一

女ざかり (文春文庫)

女ざかり (文春文庫)


わたしは卒論で丸谷才一の「たった一人の反乱」について書いたので、この本も読みたいなあと思っていたんですけど、歴史的仮名遣いだしわりと分厚いし、その辺の本屋に売ってないので、だるいなあと思ってほったらかしていました。
そうしたらこの間、朝日新聞の読書面に筒井康隆がこの本を絶賛している記事が掲載されていて、やっぱり読もうという気になってきました。記事には、筒井康隆が去年テレビで取り上げたら増刷になった、とありますが、わたしがついこの前近所の本屋で買ったのは、2010年8月1日第3刷なので、2010年7月18日の記事のおかげでさらに増刷になったということで(帯にも記事が引用されている)、影響力がすごいなー。手に入りやすくなってありがたい。ちなみに帯裏の「論説委員・南弓子の書いた社説が『不倫を奨励している』と大問題に。」ていうのはなんか違うと思うから直してほしいです。
いざ開いたら、ものすごく読みやすくってペロッと読み終わりました。おもしろかった。取材はすごくうまいのに記事が書けないおじさん記者の浦野重三がかわいかった。浦野の書いためちゃくちゃだけど新しくておもしろい社説を弓子が添削する場面が一番すきだな。なんかバクマン。みたいだし。弓子の書いた社説を、ほとんどの人は気づかず読んでしまうけれど、ある団体が問題視して圧力をかける、というのは、まるで1Q84みたいだと思った!
わたしは「AはBみたい」(Aの方が先に出たのに)と言いすぎ。
弓子は超々モテモテで、ねーよって感じなんですけど、映画版では吉永小百合が演じたということで、それだとみんなも納得したんだろうなー。長嶋茂雄とマリリン・モンローはいくら褒めても誰も怒らない、というフレーズがこの物語には登場しますが、たぶん吉永小百合も同様なのだろう。
『輝く日の宮』も読んでみようかなー