笹まくら/丸谷才一

笹まくら (新潮文庫)
今まで読んだことのある丸谷才一の長編小説は、物語文の中にとつぜん長い論説文が顔を出すところがおもしろかったです。笹まくらは、論説文は出てこなくて、時間軸がまぜこぜになっていて、小説としての工夫がすごく凝らされてところがおもしろかったです。
昼間は平気だったんだけど、夜になって眠るときになって、なんであんなことをしたんだろうと後悔する、みたいな場面がたくさんあって、わかるーと思いました。
それと、やった当時はわかっていなかったけど、20年後になってそれが自分に大きい影響を及ぼす、という場面もあって、どちらも後になってわかるということを描いているなと思いました。
戦後20年経ったころの話で、まだ戦争の記憶が色濃く人々に残っているのと、高度経済成長の中で戦時中の反動みたいな兆しがあって、時代の雰囲気がいまとは全然ちがったんだなと感じました。

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