思ったこと(あきらめたらそこで試合終了だよ)

もう今日はひなまつりですが、バレンタインシーズンの明治チョコレートのCMで、引っかかったやつがありました。
35歳で司法試験に失敗し続けている男の人が、喫茶店のカウンターで自暴自棄になってふてくされていると、カフェ店員の松潤がスラムダンクの単行本を広げて見せて「あきらめたらそこで試合終了だよ」と諭し、男の人は再起を決意します。「がんばったひとは、甘えていいんだ。」というコピーとともに板チョコをかじる美しい松潤、チョコレートは明治♪という、短い中に物語の詰まった内容となっています。
まず、今の30代ぐらい以下の人達ほとんど全員にと言っていいほど、「あきらめたら〜」という名言が浸透しているよなーと思いました。「バクマン。」でその台詞が出てくる場面もすばらしいですよね。
それで、引っかかったように感じたのは、この言葉って有名すぎて一人歩きするあまりに、あきらめそうな人にはとりあえず言うみたいな風潮があるよなー!ということです。
このCMの場合、試合ってなんだ?それはバスケの試合にたとえてよいものなのか?
「宙船」の歌詞に「何の試験の時間なんだ」とありますが、わたし個人的には苦難の真っただ中にいるときに、これは何の試合なのか、ルールも試合時間も勝利条件もわからないままに、ただ「あきらめたらそこで試合終了だ……」と思ってずるずる降りられない、という愚かな失敗を犯すところがあるな、と薄々感づきつつあります。
「あきらめたら〜」のフレーズが、わたしのような人間には呪いの文句として作用している側面があると自覚しました。