テンペスト(4)/安仁谷ユイジ

テンペスト(4) (KCx ITAN)

テンペスト(4) (KCx ITAN)


いま連載しているまんがの中で一番好きな『テンペスト』、最新刊もおもしろかったです!
姫は世界でただ一人の男性で、女性同士で子どもを誕生させる未来世界のシステムから阻害されているので、子どもを産むということにものすごく憧れを抱いていて、着床した瞬間にパーッと世界が変わって見えるものなのかと思ったーと言って、女性達からねーよと一笑に付されたりして、それがとってもいじらしいんですよね。
わたしにとっても全然未知の世界であることには変わりないのですが、実際妊娠出産に対してありえない幻想を抱いている人がいたら、ねーよって思うでしょうから、読んでいる時は姫ちゃんに感情移入できてしまう筋立てがすごいです。
生命が誕生することのすばらしさ、尊さって、ここまでフィクショナルな世界観じゃないと、子どもを育てづらい今の社会環境にはなかなか素直に読めないテーマなんだなとも思います。
もしも将来自分が妊娠出産するとしたら、『テンペスト』が完結していて読み終わった後の自分として体験したいなーと思っています。