華麗なるギャツビー

みんな観てるなーという感じがしてわたしも映画館に行きました。とってもおもしろかったです!
村上春樹訳の「グレート・ギャツビー」を読んだ時にはなんだかよくわからなかったことが、この映画を観て初めてわかりました。というか、今まで生きてきた中で知らなかった感覚を初めて得られました。
ギャツビー邸でのパーティーのシーン。「贅沢って楽しいんだ!」ということです。
わたしは経済的に困窮したことなく暮らしてきましたが、バブル崩壊後に物心つき、不景気の時代の中「お金をなるべく使わないで楽しむのが良いことだ」「物質的豊かさは本当の豊かさではない」「バブルの狂騒は虚栄だった」「おいしい話はない」云々という教え(それら自体は正しいのでしょう)を骨の髄まで叩き込まれて育ってきたせいで、「お金を使うのって楽しい」と思ったことがわたしの場合は全くありませんでした。もちろん同世代でもぱーっとお金を使うことが好きな人もいるでしょうが。
だからバブル世代の人達が「あの頃は楽しかった」と懐かしむのも全然わかりませんでした。
東京事変の「キラーチューン」、「贅沢は味方」という歌詞もピンときませんでした。
ギャツビー邸でのパーティーは、今の時代の人を魅了しちゃうようなスタイルで、招待を受けていなくてもお金を払わなくても夢中になって好きなだけ飲んで踊って遊んでいいっていう様子が描かれていて、あっバブルってその時は本当に楽しかったんだ、と初めて思いました。
今まで知らなかった感覚を知って本当に衝撃を受けました。
また、ニックがギャツビーのことを好きだし、語り手であってもただ他人事として見ている傍観者ではないということが、前は理解できていなかったけれど腑に落ちました。ご丁寧に、プレイヤーになれよというトムの誘いでアルコールを初めて口にする場面から、禁酒法の下でニックがいつもグラスを手に取っている姿で、ギャツビー達にコミットしている様子がぱっと見てわかりました。
ディカプリオの良さも今まで知らなかったけど、すごく美しいブルーの瞳で、アメリカンドリーム、何もないところから無限の想像力を働かせて豊かさを追い求める心を宿しているギャツビーにぴったりだなと思います。「想像力」が大事だということは今の時代も言われていますから、そういったキーワードでうまく今の人でも理解できるようになっていました。