こたつはやめてくれ

きょうの授業では「風の歌を聴け」の映画を見て、朗読劇みたくなってて全然だめだよね、映像で何かを表現することが全くないよね、忠実に再現しようとするとこうなっちゃうっていうような小説だからねって先生が言った。
それよりリアル日本が映されていたことが耐えられなかった!リアル朝日新聞、渋谷駅(国鉄)、冷蔵庫のCM、室井滋……現実のものが映されている。和室にこたつが出てきたときは叫びたくなった。ちがうんだ。風の歌を聴けはこんなしみったれた昭和とかじゃないんです!!って思った。ファンじゃないけど執着あるんだなぁって気づいた。
村上春樹の本の世界って、日本だけど日本じゃないみたいな、アメリカみたいな、おしゃれなふんいきを出していないとありえないと思うの。
アメリカっぽいかっこつけてるかんじをおしゃれって単純に言っちゃうのははずかしいんだけど。
少女まんがとにてるのかも……全員目がでっかくてキラキラな世界みたいな。おっさんとかも目がキラキラしている。BLとガチホモのちがいとも似ている。
だから現実の村上春樹はぶさいくだし、昭和はしみったれているんだけど、本の中はまったく別のコードで統一されている世界だから、だれもがかっこつけててOKなの。
「歌姫」で、長瀬くんの髪型がリアル昭和ぽい短髪なのも、きっついと思う……(そのため見てない)。三丁目の夕日は、小雪や堤真一などが、当時のリアルよりもステキなため、見られるようになっている。
美化抜きでリアルを直視できるほど昭和は遠ざかっていない。美化はノスタルジーという心の働きとつながって、作品世界を保っている。