放浪息子(15)/志村貴子
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2013/08/28
- メディア: コミック
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10年以上にわたる連載がいよいよ完結を迎えました。わたしがはてな始める前からやっていたのか……。
最終巻、わたしすっごく好き。おもしろい。言葉がいっぱい書いてある、自意識がたくさんある。
敷居の住人みたいだ、と思った。
カラオケ屋さんでの場面は、特に彷彿とさせたけど、やっぱりミドリちゃんたちみたく飲酒だの喫煙だのはしないから、時代の変化を感じました。
わたしは未成年の飲酒や喫煙描写はないほうがいいと思ってるから、それはいいんだけど、シュウくんたちはいい子だし先生やマコちゃんの親とかも理解あるのに、少年少女の生きづらさが違う形で表出するのが、おもしろいと思いました。
放浪息子にもみどりちゃんという子が出てくるけど、敷居とは特に関係ないです。
志村貴子先生のまんがは、よけいな言葉や線がごっそりと削ぎ落とされた美しさを放っている時期もあるけれど、この巻は書き込みや言葉が密度を増していて、しかもあくまでも無駄のなさはちゃんと保っています。エネルギーみたいなものがぐるぐるしていて、悩める高校生らしさが出ていると思いました。そしてたまに空白が生まれると、これもまたすごく緩急が心地よいです。それがわたしの敷居を好きなところに通じていて、ぐっときました。
ささちゃんが一番好きなので、この巻でのエピソードは最高でした。
淡島百景の再開も楽しみです。