「アゲイン!!」と「3.3.7ビョーシ!!」の話
アゲイン!!(12)<完> (KCデラックス 週刊少年マガジン)
- 作者: 久保ミツロウ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/05/16
- メディア: コミック
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少年誌デビュー作となる3.3.7から約10年ぶりに、再び応援団員を主人公として、今の高校生ぐらいの子達に向けて熱く描かれたまんがで、3.3.7の連載当時は中高生だったのがすっかり大人になってしまったわたしも熱中して読んでいました。
3.3.7を少し読み返したら、ギラギラした欲望、深い淋しさを埋めたい渇望が渦巻く00年代新宿の街での夏休みの空気がすごく出ているなと改めて思いました。ケータイをごてっとデコったりとかそういう世の中の雰囲気かな。
誰かを応援したい!という強い気持ちと、誰かに自分を救ってもらいたいという幻想にすがってはいられないという自立心が色濃く描かれていて、様々なキャラクターが賑やかに振る舞うんだけれどもそれぞれの孤独が際立つ作品だと感じています。
アゲイン!!では、わざわざ新宿に行かなくても、すぐ身近に楽しいことがたくさんあるんだけど、なんとなく素直に楽しいことの中に飛び込めない葛藤みたいなものがよく出ていて、これも今の時代をすごく切り取っているなぁと思います。
そして、応援ってとても楽しいものなんだということが伝わるところと、わたしは(他の誰でもない)あなたを捜す、ということがはっきりと描かれているところがとても好きな作品だなと思います。