グレート・ギャツビー

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)
アメリカ文学概説の授業でかるーく原文を説明されて、まず日本語からでも全部読んでみようと思ってチャレンジしました。日本語でも、未熟なのでこれはいったいどういう意味かしら…と思うところもありつつ、色とりどりで音楽的な文章で、まぶしい悲しいひと夏の物語を通して楽しめました。
授業では、ギャツビーは「空気の読めない」進歩主義者で、フロンティア消滅前のようなアメリカンドリームを持って過去は繰り返せると信じ込んでいるので、WWI後のもはやそんな価値観は通用しない周囲からは浮いてしまっていると習った。説明だとギャツビーうぜえって感じなんだけど、傍観者ながらギャツビーの友人として彼を見捨てないニックの目を通すことで、ギャツビーがにくめない人間であることがわかって、それは村上春樹の作品の主人公が持つ傍観者のポジションと通じている。
ちなみに、村上春樹の本って主人公がすぐ「やれやれ」って言って彼女とスパゲッティとか食べてるって言われてて、かなり鼻持ちならないイメージだったけど、読んだらむかつく感じがしなくてびっくりしたよ。つまらなそうに説明しようとしてるわけじゃないのにね。それとも私が読んだのがたまたま違っただけ?
セレブ、パーティピープルの空虚さ(それって見てないけどマリーアントワネットにも描かれているんじゃないかしら)は現代でも興味をかきたてるおもしろいテーマですね。