日本文学史 古代・中世編/小峯和明 編著
- 作者: 小峯和明
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2013/05/10
- メディア: 単行本
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「序章 古代・中世文学の世界」の冒頭のところを引用します。
文学の中身を一言でいえといわれれば、それは「うた」と「ものがたり」に尽きるであろう。愛する人へのせつない想いや亡くした人への悲しみの想い、あるいは喜びや浮かれるような楽しい想い、労働などつらい苦しみなどなど、思わずうたわずにいられない、もしくはうたを聞かずにいられなくなる、そういう状態になるときがある。それは個人的なものでありつつ、同時に共同体に深く関わり、時代社会や地域にも根ざし、その制約も受ける。あるいは、人はものごとの由来やいわれ、事の起こりを知らずにはいられない存在でもある。日常生活の談話をふりかえってみれば我々の話題はそういうものばかりのはずである。人間は始源にとらわれた生き物だといってもよいだろう。そうした事の始まりを説いて語る、それが「ものがたり」の始まりである。
ああわたしは文学、とりわけ「うた」が好きなんだなあと思いました。本を全然読まないから文学好きとは到底名乗れないけれども、わたしもまたうたわずにはいられないし、うたを聞かずにはいられないときがある。そして自分が生きていく中で浮かんでいる考えはいつも事柄を「ものがたり」に整理することで形作られたものである。
たとえば今年でいえば「あまちゃん」の「うた」と「ものがたり」両方がわたしを魅了したんだなと腑に落ちました。
わたしは本でもまんがでも音楽でもなんでも、好きだな!!と心を揺さぶられ、どういうところが好きなんだろう、と後からポイントを探して腑に落ちることの繰り返しをしていて、じつはその心の働きの中に「うた」と「ものがたり」がひそんでいるんだというのがわかって、なんだかとてもうれしいような気持ちになったのでした。