不思議に思ったこと(「眠い」/村上春樹)

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)


短編小説集『カンガルー日和』に収められている「眠い」という話、わたしも座学とかとんでもなく眠くなってしまうので、自分に置き換えて読みやすかったんだけれど、不思議に思ったことがありました。
主人公は、しっかり者の「彼女」と一緒に、彼女の高校時代の同級生の結婚式に出席している。いつもなぜか結婚式でものすごく眠くなってしまうという癖があって、もれなく激しい睡魔に襲われるも、彼女にたしなめられながらなんとか乗り切る。
主人公は、新婦友人席に男がいるなんておかしいよと指摘していて、普通のマナー的にはその通りだし(しかも新婦と主人公は面識なし)、まあこの主人公カップルがすでに結婚しているならありえるのかもしれないけど、さらにはしっかり者の彼女が白いシルクのワンピースを着ているというのです。
どうしてそんな風な描写があるのか、「正しそうな方が正しくない時もある」と揺さぶりをかけているのかしら。よくわかんないなーと思ってただ引っかかったのでした。