永すぎた春/三島由紀夫

永すぎた春 (新潮文庫)
三島由紀夫の本をちゃんと読んだことなかった(現代文の問題で金閣寺、漫画で潮騒ぐらい)けどこれはすごくおもしろかった!憂国&ボディビルのごついイメージだったので、婚約とか身分とか今とちょっと違ってもだいぶ読みやすくてびっくり。郁雄と百子のカップルが、婚約中という結婚してはいないけど周りに公認されている微妙な期間の中で、いろいろあるよねっていう話です。百子は普通の明るい勝ち気な娘で感情移入しやすいし微笑ましい。この物語の中で、永すぎる婚約期間は物足りないだけだ、とネガティブに捉えてられているというより、婚約だって破棄の可能性はなくないし、婚約前よりお互いの家族がより介入してくるものの、自分たちが世界の中心みたいなラブラブぶりもあるので、不幸な感じはしなかった。