思ったこと(夢について)

「風立ちぬ」の感想で書き忘れたことがありました。
冒頭の、二郎の幼い頃からずっと登場する、夢というものの描かれ方についてです。
夢には二つの意味があって、夜眠っている時に見るものと、将来こうしたいと願う野望です。
「風立ちぬ」ではそれを一つのものとして描いているので、不思議だなーと思いました。眠っている時に草原の世界でカプローニさんとこんな飛行機を作りたいんだという話をします。
わたしは、眠っている時に見る夢は、将来の夢と全然関係があったためしがないので、もしかしてすごい天才の人はそういうものなのかしら?と思いましたが、とにかくわたしたちは夜見るものと将来の希望を夢という一つの言葉で表します。
そうなった経緯については、よく知らないのでちゃんと確認したほうがいいけれども、「風立ちぬ」を見ている間は、それって飛行機と同じぐらい新しいことなんじゃないのかなーという感覚がしました。将来の夢は、ある程度自由が生まれたざっくり近代以降のものだという気がしました。
わたしの見たことがあるジブリ映画は、日本にむかしむかしからあったものを、今の人間は忘れているから思い出させよう、みたいなテーマが多かったと捉えていて、今回、新しいものを生み出すということが描かれていたのに驚きましたし、わたしたちが普通と思っていることはちょっと前の人が始めた新しいことなんだよ(恋愛結婚とかも)とも言っているように感じました。