今週のブラックジャックによろしく

どうしてお金がなくて街のすみにいて妊娠して誰からも見放されて子供が生まれないで、っていうプロセスを踏んだうえで雪の日に妖精がくるようになってるの?妖精がくるにはそういうのが必要なの?なんかそれって製作者の夢を描いちゃってない?漫画ってそういうとこわかんない。早川小百合さんというヒロインぽい名前にすでに現れていると思うんですけど。たとえば男の方の、小沢さんの病気になるまでのストーリーが早川さんのほうのストーリーだったら、早川さんこわっ、キモって思って感情移入できなくて漫画が成立しないでしょ。小沢さんはダメな男で病気になったけど早川さんに恋をして社会復帰できるようになっていくっていう筋は、なんか漫画によくある読者の応援を誘いやすいパターンだと思うの。精神病が絡んでるせいで断言しにくいけれど、結局小沢さんと早川さんに持たせているドラマ性って、作者や読者の望むテンプレートどおりなんじゃないのかなあ。次回は他の人が凶悪事件を起こしたせいで精神病患者に対する風当たりが強くなる、という展開になるっぽいのでそれどころじゃなくなると思いますが。ジェンダーとかそういうことよりもむしろ、なんだろ、名作っぽくするためにドラマ性を持たせすぎじゃないの、という感じです。これは作り事のストーリーでもなんでもなく私たち患者のリアルです、って言われたら反論できないし、また、だって漫画なんだからただの病人を出したって話膨らまないじゃん、てことになるけど。